毎日食べて健やかになるスパイスカレーを目指して – 高砂「BIN CURRY」

身体にやさしいスパイスカレーが人気を集めています。高砂の裏路地にもスパイスカレー店「BIN CURRY」がオープン。お店のコンセプトは「毎日食べても大丈夫。むしろ毎日食べてほしいカレー」です。

健康第一、医食同源を意識して、身体に良いスパイスをふんだんに使って作られるカレーを提供しています。店主の岡田敏太郎さんは25年近くスパイスカレーを作り続けてきたスパイス愛好家。そんな岡田さんにBIN CURRYというお店のこと、メニューのことをいろいろと伺いました。

スパイス愛好家が定年退職後、飲食業に挑戦

周囲はマンションが多い住宅街

「高砂の住宅街でオープンしましたから、匂いについて近隣の方から苦情が来ないだろうか……と不安もあったのですが、『スパイスのいい香りがしますね』と声をかけていただき、安心したのを覚えています。皆さん、店にも来てくださって」

温かみのある落ち着いた空間で、穏やかに微笑む岡田さん。37年勤めた会社を2022年3月に定年退職し、同12月にBIN CURRYをオープンしました。転勤族として東京、大阪に続き、最後の4年間は福岡に単身赴任していましたが、コロナ下以前は自分がセカンドキャリアで飲食店を営むとは考えていなかったといいます。

仕事柄、お酒の付き合いも多く、福岡に来て2年は会食予定が多かったことから、大衆〜高級グルメまでいろいろなお店を巡り、福岡の食を存分に楽しんできたと振り返る岡田さん。天神や中洲から自宅まで徒歩で帰宅できる距離感も相まって、美味しい店や美味しいもので溢れる福岡という街をどんどん好きになっていきました。

しかし、コロナ下で在宅勤務となり、得意先との会食や同僚とのランチ、飲み会もすべてなくなってしまいます。移動時間すら消えた結果、心と時間の余裕ができて、定年後の人生を真剣に考えるようになりました。そんな中、心の奥底にあった「料理やお酒が好きだから、いつか(飲食)の店をやってみたい」思いが沸々と湧き上がってきたといいます。

「当時は自宅で自炊が基本でした。また、時短営業中の飲食店に行きにくいとき、同僚を家に招いて少人数で食事会をしたりしていましたね。スパイスカレーは福岡に来る以前から一度に20〜40人前くらい作って、真空パックにしてお裾分けし、辛すぎる・今回はちょうどいいなどフィードバックをもらっていました」

これから作る20皿分のスパイスカレーに使うスパイスを持つ岡田さん

そうやって常日頃から周りに食事を振る舞っていた岡田さん。会社に残る、他社からのオファーを受けるなど、キャリアの選択肢はいくつかありましたが「サラリーマンとしての仕事はやり切った」と考えていたため、スパイスカレー店を出そうと決断したのでした。また、人生100年時代と言われる今「残り4割の人生で新たな挑戦をしたい」とも考えたといいます。

埼玉県に暮らす家族は福岡が大好き。「お父さんが福岡にいたら、私たちもときどき遊びに行けるから」と出店には大賛成だったといいます。姉と妹からも「人生楽しんだ方がいい」とポジティブな言葉をかけられ、元同僚たちも開店準備を手伝ってくれたり、出店後に食べに来てくれたりと、周りからは新たな門出を応援されています。

季節に合わせたスパイス×野菜を使ったカレー

「朝食べても胃もたれしないスパイスカレー」を提供するBIN CURRY。カレーは常時3種類で定番のチキンとキーマに加え、月によって牛すじや豚肩ロースなど食材を変えていて、今後は植物性たんぱく質を使ったカレーも考えているそう。

いつも3種類のカレーを楽しめる。テイクアウトにも対応

スパイスは最初に香りを抽出するホールスパイスを17種類、パウダースパイスを12種類用意し、カレー1種類につきその個性に合わせて10種類程度を用いています。冬は身体を温めるタイプのスパイスを多めに使ってきましたが、暖かくなってきた今は配合を変えるなど、季節に合わせた調整をしています。

2月は蓮根を使ったキーマカレーを出していました。旬の野菜とスパイスを掛け合わせたカレーにはファンがつき、今や週1でいらっしゃる常連さんも。よく来る方からは「スパイスカレーの作り方を教えて」と言われることもあるそうで、その度に岡田さんは惜しげもなくレシピを伝えています。「めぐるね白金」に向けてもお話しいただいたので、いくつか断片的に記載します。

筆者がテイクアウトして自宅でいただいたBIN CURRYのカレー3種類

//たっぷりの野菜でスープを作る。コクをより出したいときはカシューナッツで出汁をとる。ホールスパイスを油で炒めて香りを出し、玉ねぎを飴色になるまでパウダースパイスと炒める。フードプロセッサーで作ったガーリックジンジャーペーストを入れる。酸味にはヨーグルトを。塩分は全体の1.2%くらいetc.//

オープンで自然体、気さくな岡田さんですが、常に先を見つめて新たな取り組みを模索しています。4月下旬頃からは週3日程度、夜営業を始めるそう。スパイスやハーブを用いたおつまみを数品用意しようと考えているそう。詳しくはBIN CURRYのInstagramでご確認を。ランチでもディナーでも。BIN CURRYの楽しみ方が広がります。

後編『スパイスカレーで健やかになってほしい – 高砂「BIN CURRY」店主 岡田敏太郎さん』に続く

取材協力/BIN CURRY

Text+Photo/池田園子

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