福岡市の映像制作会社「ラップ」を訪問&中の人に聞く白金の魅力

白金2丁目の住宅街にあるシックな外観の邸宅。「お金持ちのご自宅?」と思いきや、隣には「LAP,Inc.」という看板があります。大きな一軒家に見えますが、こちらは映像制作会社 株式会社ラップのビルなんです。

ラップが入っている一軒家

企画制作・撮影・編集チームを持ち、映像制作に関して自社のみで企画〜納品まで、ワンストップで対応できることで知られるラップ。白金の地に根ざして6年近くになるといいます。今回はラップにおじゃまします。

同社 営業局 クリエイティブ PR部 部長 蓑津尚文さんと制作編集部の葛城隼人さんに事業内容や会社の様子、白金エリアでよく行くお店など、映像からローカルに関することまで、いろいろなお話を伺いました。

オールインワンで対応できる独立系制作プロダクション

代表取締役 原田憲児さんがラップを創業したのは2010年9月のこと。「これまでは“見るものだった映像”。これからの社会には、“参加する映像”の形を作りたい」との想いで会社は誕生しました。

2名でスタートした会社は今では40名を超える大所帯となり、独立系制作プロダクションとして九州で最大規模を誇ります。さらに今春、新入社員が5名入社して、社内に新しい風が吹いてより良い雰囲気に。

ラップはテレビ番組の技術会社としてスタートしましたが、会社の成長に伴いメンバー数が増え、技術、制作、編集とそれぞれ専門スタッフを抱えた部署が立ち上がり、企画から納品までオールインワンで対応できるところに強みを持つようになりました。

現在はライブ配信の引き合いが急増し、イベントからスポーツ、講演、医療、教育関係、国際会議まで、幅広いジャンルの配信経験を持つほか、企業からの映像制作オファーも多く寄せられています。

「L-Studio福岡」のスタジオ
「L-Studio福岡」の控え室

2023年4月には配信・収録・中継・編集全てに対応したオールインワンスタジオ「L-Studio福岡」がオープン。完全防音・完全耐振動のスタジオは、地上3階建、延床面積約650平米と九州最大級の広さになっています。

映像制作はもちろんイベントプロデュースも

そんなラップで働くおふたりの仕事内容についても聞いてみます。インターンを経て社員になった葛城さんはディレクターが撮影した映像素材の編集を担当。素材同士をつないだり、テロップや音を入れたり、さまざまな音の音量を調整したりして、コンテンツをより面白く見せるための仕事です。

編集室でPCと向き合う葛城さん

専門学校に通っていた頃、同校OBでもある社長(原田さん)が講師としてやってきたのを機にラップを見学し、インターンとして働く中で「制作をやりたいと思っていたけれど、自分には編集の方が向いているかもしれないと感じたんです」と振り返る葛城さん。

現在編集を担当している番組を聞くと、バカリズムさんがMC兼審査委員長を務めるバラエティ番組『勝手に!漫画アワード』(朝日放送)を一例として挙げてくれました。コマや吹き出しを多用した漫画っぽい映像に仕上がっています。

編集でユニークな加工を施すのが楽しいと話す葛城さんにとって、同じく編集を担当する『エンタテ!区 〜テレビが知らないe世界〜』(RKB毎日放送)も刺激的な仕事のひとつ。AI・ロボット・VTuber・VR・ドローン・eスポーツなどを活用した新感覚の番組です。

会議室で仕事を進める蓑津さん。定位置は1Fのスペース

蓑津さんはというと、プロデューサー(全体統括)として企業の動画制作やテレビの特番、美術展、イベントなど幅広い仕事を担当。「イベントの仕事はお客さまから生の言葉を聞けるのがうれしいです」と語る蓑津さん。

2023年3〜4月にかけては、地元である長崎県佐世保市で「カワノ・ナミ展アートであそぶ!なぞなぞ美術館」のプロデュースを担当しました。なんと、カワノ・ナミさんは学生時代の同級生だといいます。

「かつての同級生やその子どもたちを含め、多くの方に来場いただきまして、いろいろな感想を直接伝えてもらった貴重な機会でした。今後もいろいろなイベントを企画し、仕掛けていきます」(蓑津さん)

白金で働くふたりの、白金お気に入りスポットは?

清川のアパートで創業し、白金に移転してきたラップ。福岡放送やTVQ九州放送など取引先への移動もしやすく、社員たちも立地を気に入っているといいます。蓑津さんも葛城さんも白金という街が大好き。よくごはんに行くお店や気になるお店はと聞くと——。

「代表と食事に行くときは『白金ホルモン まる福』が多いです。ランチや社外との打ち合わせだと『喫茶コティ』に行くことも。コティは当社からかなり近く、社員との遭遇率が高すぎるのですが(笑)。少し前に開拓して気に入っているのは平尾の『寿司 味処 河童』。コスパがいいんです」(蓑津さん)

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「ランチだと『うっちゃり食堂』は定番です。ボリュームのあるメニューをいただけます。白金の小道にあるサンドイッチ店『DIG INN』やコーヒー店『Good up Coffee』など、いつも列ができているような人気店も気になっています」(葛城さん)

白金という街全体の印象についても聞いてみると、蓑津さんは「福岡の中心部でありながら昔ながらの鮮魚店や青果店があって、少し昭和的な印象もあって落ち着きます」と語ります。

「近くに小学校があり子どもたちの行ってきます、ありがとうみたいな声も聞こえてきて、穏やかな街という感じです。3年以上白金で働いてきたのですが、この半年で近所に神社があることに気づきました(笑)。巡っているつもりでも、まだ知らない側面が多い街。これからもランチ開拓のついでに散策したいです」(蓑津さん)

白金にある会社同士でコラボレーションも

白金にすっかり溶け込み、白金愛の深い社員も多いラップは、近所の会社とコラボレーションすることもあります。その一例が、ラップ所属の若手クリエイターと、白金にあるモデル事務所「エレガントプロモーション」所属モデルとで制作するYouTube番組です。

社長が白金を散策していたとき、エレガントプロモーションの入ったビルを発見し、後日挨拶に行ったのがきっかけでコラボに至っています。

「ライブ配信に注力していこうと決めたタイミングで、若手の勉強も兼ねてYouTube番組を制作しようとなりました。そうなると演者が必要になるので、エレガントプロモーションさまに相談したところ『うちも若手がいるので一緒にやりましょう』とのってくださいました。主体的に動いていると、こういう思いがけないご縁が生まれてありがたいです」(蓑津さん)

さまざまな面白い取り組みを行うラップ。メンバーのキャリアは様々で飲食や芸能出身者もいれば、映像制作未経験の人も。経験・知識ゼロであっても、会社として若い人を育てていこうとする意思を感じます。

一部の若手メンバーに集まってもらいました

「20〜30代のメンバーが多い、若い会社だと思います。私も業界に入ったときは未経験でしたが、当時の先輩から『元気に挨拶さえできれば十分。知識や技術は後でついてくる』と言われたものです。働いてみるとその通りでした。異業種出身でもやる気があって、映像の世界に挑戦したい方は門を叩いてもらえたらと思います」(蓑津さん)

誰でも映像を作れる時代になったとはいえ、プロフェッショナルの領域はそれとは似て非なるもの。この記事は採用記事ではなく「ご近所の会社訪問記事」ですが、総合プロダクションとして幅広い経験を積める環境に興味のある方はラップのオフィシャルサイトを覗いてみてください(人材は常に探しているそう)。

また、この記事を通じて白金エリアが気になった方は、「めぐるね白金」を参考にしつつ、白金をぶらぶらしていただけたら、これほどうれしいことはありません。

取材協力/株式会社ラップ

Text+一部Photo/池田園子

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