白金2丁目に大人向けのヴィンテージショップがあるのをご存知でしょうか。2021年1月にオープンした「LOOKING FOR YOUMORE」です(ECサイトもあります)。
店名には、ユーモアがあれば人生をハッピーに過ごせるとの考えから、あなたらしさ(YOU MORE)とユーモア(HUMOR)が掛け合わされています。
スタイリッシュな外観に惹かれて近づくと目に飛び込んでくる、色とりどりの洋服たち。店内の色使いや小物選びからはオーナーのセンスが溢れ出ています。
オーナーのMANAさんに、LOOKING FOR YOUMOREというお店について、いろいろなお話を伺いました。
●白金を選んだ理由は?
お客さま一人ひとりとじっくり向き合いたいと思うようになったからです。以前は大名で働いていましたが、お客さまがどんどん入ってくるような、人通りの多いエリアでした。そことは対照的ともいえる閑静な場所に店を出したいなと考えました。
白金は前に住んでいたこともあって、どんな街なのかが肌感でわかっていましたし、ヴィンテージショップがまだないことも知っていました。
また、私が自身の帽子ブランド「mn_emuenu_jp」(※)を立ち上げていることもあり、その製作にかける時間の余裕も持ちたいなと思っていたんです。LOOKING FOR YOUMOREにはmn_emuenu_jpの工房も併設しているので、お客さまがいらっしゃらない時間帯に帽子の製作を進めることも。
※ヴィンテージ生地を使って一点ものの帽子を製作しています。丁寧な少量生産ゆえに販売後はすぐに売り切れることも。次回は9月に新作発売予定。最新情報はInstagramアカウント「@mn_emuenu_jp」でチェックを。
店のある路地は人通りが多くないのですが、飲食店が多い白金に遊びに来た方や白金で働く方などが、たまたま通って見つけて入ってこられて、お客さまになってくださることが多いです。
広告も打っていなくて、インスタでの集客がメインですが、認知が自然と広がっているのがうれしいですね。
●店で取り扱うアイテムの特徴は?
アメリカ西海岸から買い付ける1920〜1990年代のカラフルなレディースアイテムを中心に取り扱っています。西海岸のアイテムは色鮮やかで遊び心のある、個性的なデザインのものが多いです。自分らしい色を楽しみたいという方にぴったりだと思います。
ヨーロッパのアイテムも少し取り扱っていますが、こちらは落ち着いた色味で、より古い年代のものが多いです。
ラインナップはさまざまですが、個人的にワンピースが好きなこともあって、ワンピースの品揃えはとくに豊富かなと思います。
「こんなアイテムも置いているの?」と驚かれるのが花瓶です。1940〜1960年代(ミッドセンチュリー期)にデザインされたヴィンテージ品で、けっこう人気があります。
前職を辞めてLOOKING FOR YOUMOREを立ち上げるまでに、1年ほど花屋さんで働いていたこともあり、お花が大好きなんです。お花をいけるのは癒しの時間で、好きが高じて花瓶も取り扱うようになりました。
イヤリングをはじめとしたアクセサリーもいろいろと置いています。1950年代のものはビーズを使ったかわいらしいタイプが多く、1980年代のものはゴテッとした派手なタイプが多いというように、年代によって個性があって面白いですよ。
●店内で気に入っているところは?
見ているだけで元気が出る壁の色です。ピンクとオレンジの色は、メキシコの建築家、ルイス・バラガンの自宅兼仕事場からインスピレーションを受けています。
ルイス・バラガンの自宅と仕事場は、ユネスコの世界遺産に登録されていて、いつか買い付けに行くときに実物を見てみたいと思っています。
●お店として目指していることは?
生きていくなかで欠かせないもののひとつに「ユーモア」があると考えています。ユーモアさえあれば、どんな状況になっても人は気分をいい方向に変えることができると。ユーモアを持った人やもののある場所は、パッと明るく晴れやかにもなります。
LOOKING FOR YOUMOREという店名にもそんな想いを込めています。ここで取り扱う一点ものの洋服やアクセサリーも、それぞれ独自の背景を持ち、ユーモアにあふれています。お客さまがこれらを纏うたびに、明るく幸せな気持ちになっていただきたい、と思っています。
取材を終えて
MANAさんのお話には印象的な言葉がたくさんありました。「買い付けのとき、◯◯さんに似合いそうだな〜と、お客さまのお顔を思い浮かべながら商品を選定することもあります」。こんな語りもありました。お客さまと丁寧に向き合うMANAさんの姿勢を感じ、お店のことをますます好きになるエピソードでした。
取材協力/LOOKING FOR YOUMORE
Text+Photo/池田園子