ストーリーのある買い物をしたい——。
長く大事に着られてきた、背景のある服を纏いたい——。
そんな考えを持つ方にとって、ヴィンテージショップは心躍る出会いがある場所かもしれません。
たとえば、白金2丁目に店を構える「LOOKING FOR YOUMORE」(ECサイトもあります)。自分らしさを大事にしたい大人にぴったりな洋服が集まるほか、店自体が気持ちを上げてくれるパワースポットのような印象です。
このLOOKING FOR YOUMOREで商品の買い付けから接客、店やECショップの運営までを担うのがオーナーのMANAさんです。
センスのいい空間を作り出すMANAさんって一体どんな人なのでしょう? 人柄や個性にふれるような質問をいくつかしてみました。
前編の『自分らしい色を纏って楽しく過ごしてほしい – 白金ヴィンテージショップ「LOOKING FOR YOUMORE」の願い』を読む
●昔、なりたかったものは?
音楽が好きなので、音響屋さんとしてライブハウスで働くのが夢でした。音響の専門学校にも通っていたくらいです。
●古着やヴィンテージアイテムとの出会いはいつ?
初めて古着を買ったのは高校生のときです。人と同じような服を着るのがイヤという、天邪鬼な考えのもと……(笑)。
そのころから古着に興味があって、専門学校時代に古着屋でアルバイトをしようとしました。ただ、狭き門だったのでその願いは叶わず、新品を取り扱うアパレルショップで1年半ほど接客・販売を学ぶことに。
その後、縁あってヴィンテージショップで働き始めてからは、買い付けも任されるようになりました。自分のセンスとトレンドを掛け合わせて選んだものが、お客さまに響いて買っていただけることに、面白みややり甲斐を感じていました。
●ご自身が大事にしていることは?
当たり前のことですが、関わる人に対して愛を持って接するようにしています。細かいところもできるだけ気にかけるようにしているのも、感謝の気持ちを伝えたいからです。
些細なことではありますが、梱包するときにテープの端を折るのは、お客さまが開封しやすいようにと思っているから。
自分ではごく自然にしていることですが、お客さまから「丁寧」「安心感がある」「ありがたい」と言っていただけるのはうれしいですね。
●ご自身でビジネスを立ち上げて抱えている課題は?
ひとりでビジネスと向き合う限界を感じています。店を出してからの1年半はとても根気のいる時期でした。やっぱり、ひとりでできることには限界があるなと気づいたんです。
そろそろ仲間が欲しいと思うようになり、秋冬にはスタッフが増えます! 小さくてもチームで動けることで、ひとりでできていたことの外側に行けるのが楽しみです。
いまはLOOKING FOR YOUMOREと自身の帽子ブランド「mn_emuenu_jp」に7:3くらいで力をかけていますが、今後は5:5くらいにしていきたいとも考えています。
※ヴィンテージ生地を使って一点ものの帽子を製作しています。丁寧な少量生産ゆえに販売後はすぐに売り切れることも。次回は9月に新作発売予定。最新情報はInstagramアカウント「@mn_emuenu_jp」でチェックを。
大量生産をする予定はないものの、縫製もできるスタッフと生産体制を整えて、帽子を欲しいと言っていただけるお客さまたちに応えていきたいなと思っています。
●自信を失ったとき、不安になったとき、逆境に陥ったときの対処法は?
徹底的に内観します。自分と向き合うなかですごく泣いてしまうこともあります(笑)。でも、下がったあとは上がるだけ。いまどん底にいるなら、それ以上落ちることはなく、必ず上がっていくものです。
ビジネスの悩みはパートナーに話すこともあります。寄り添って考えてくれたり、ヒントをくれたりするので、支えられているなと思います。
●洋服のショップを作りたい人にアドバイスを。
根気もいるし、キツいこともありますが、その分喜びが上回る仕事だと感じています。私自身は店を運営していること、ヴィンテージアイテムと関われていることに生き甲斐を感じています。
店を持つことでいろいろな経験ができて、人生が豊かになると思うので、洋服が好きな人、店を出すのに興味がある人には挑戦してほしいです。好きなことだったら走り切れるはずですから。
アパレル業界全体がいい形で盛り上がっていけるよう、私も精進してまいります!
MANA/LOOKING FOR YOUMOREオーナー。2021年1月に独立・開業。
取材協力/LOOKING FOR YOUMORE
Text+Photo/池田園子