女性会員も多く集まる「SBHキック&ボディメイクジム」(薬院)。オーナーで元プロキックボクサーの有松朝さんはいつもほがらかで、真剣に指導するとき以外はたいてい笑顔。会員一人ひとりに話しかけ、雑談中は笑いがあふれています。有松さんって一体どんな人なのでしょう? 人柄や個性にふれるような質問をいくつかしてみました。
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●子どもの頃、なりたかったものは?
誰かにとってのヒーロー。わかりやすくいうとプロスポーツ選手です。小1〜中3まではサッカーをしていて、ポジションはフォワードでした。ワールドカップ日本代表選手が、チームの命運を握る試合で得点して称賛されるのを見て、影響を受けました。
●15歳でキックボクシングを始めた経緯は?
中3の夏にサッカーをやめてすぐ始めました。キックボクシングはサッカーとは違い個人競技です。リング上は1対1で、自分の努力が結果にそのまま返ってきます。当時は地上波でPRIDEが大人気で、僕もハマってました。格闘技のなかで強い人がいそうなフィールドは? と考えたら、それがキックボクシングだったんです。
●18歳でプロデビューし、約11年活動を続けて得た学びは?
続けることと、現状を客観視すること。目標を立てたら実現までの計画を立てて、やりながら見えてくる課題にどう対応するかを都度考えます。プロ時代、前王者だった村越優汰選手に挑戦する機会がありました。格上の相手でしたが、試合当日までにやることを明確に決めて、できることをすべてやりました。それでも勝てなかった。最善の努力を尽くしてもうまくいかないことはあると知った試合でしたが、自分がやり切ったと思えるなら、一度や二度失敗しても前を向いて仕切り直せると思えました。
●ジム経営を始めて得た学びは?
いつかは自分で事業をしたいと思っていましたが、やりながら考えることばかりです。行動しないで後悔するより、行動して後悔するほうがいい。やらないと見えないことはたくさんありますから。最初の頃は、ただ自分の好きなキックボクシングを仕事にできてうれしいと感じていましたが、徐々に感覚が変わってきました。この仕事は人のためであり、自分のためでもあるんだなあと。最初は自分のビジネスとして始めたことでも、多くの人(会員さん)が喜んでくれて、結果的にそれが自分の喜びとして返ってくるのに気づいたんです。
●自信を失ったとき、不安になったとき、逆境に陥ったときの対処法は?
落ち込んでも一晩寝れば忘れます(笑)。現役選手のときから変わりません。生きている間は前を向かないと。考えても仕方ないことは考えない! 自分を恨むのではなく、改善していくことが大事です。
●自分にとって「幸せ」「成功」とは?
「幸せ」は会員さんがトレーニングで喜びを感じてくれること、短期的・長期的成果を実感してくれること。「成功」は目標を叶えること。ジム運営では高い目標設定をしていますが、到達まで手が届くところに来ています。
●時間、お金……これがもっとあれば、ビジネスをもっとこうできるのにといった野望はある?
時間が欲しいです。仮に1日3時間増えて27時間になったら、土日の営業開始時間を早めたい。自分のトレーニングにも充てたいです。人あっての商売なので、常に勉強して自分を高めていかないと。金土日に予約が入ることの多いパーソナルトレーニングも、月20件以上やっていることもあり、体制を整えていきたいです。やりたいことが多すぎて、時間が足りないですね(笑)。
>>キックボクサー気分を味わえる“リング”がある!薬院で人気の「SBHキック&ボディメイクジム」へ
Tomo Arimatsu/SBHキック&ボディメイクジム代表。元RISE所属のプロキックボクサー。元RISEバンタム級3位。2019年7月の試合を最後に現役引退し、2021年5月にSBHキック&ボディメイクジムを開業。マンツーマンレッスンも対応。Instagram
取材協力・写真提供/SBHキック&ボディメイクジム
Text+Photo/池田園子