中央区高砂と聞いて、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。高砂に住んでいたり、高砂で働いていたりする人たちにとっては、「飲食店が多いグルメエリア」の印象が強いのではと思います。確かに、ごはん難民になったことはないかも……。
仮に週2〜3日開拓したとしても、なかなか回りきれないくらい、たくさんのお店がある高砂。今回、その高砂エリアで取り上げるのは「チャコールグリルキッチン konro(以下、konro)」です。
前編『“今とびきり美味しい肉”を炭火焼でいただいて – 高砂「チャコールグリルキッチン konro」』に続き、店長の吉永浩気さんにお話を伺いました。
●今の仕事(飲食)を意識したのはいつで、どんなところに魅力を感じた?
高校生のときに飲食店でアルバイトをしていたときです。美味しい料理とお酒を前にうれしそうにしている大人たちを見るのは、はじめのうちはとても非日常に感じましたが、働いている自分まで幸せな気持ちになったんですよね。
飲食の仕事をするようになって20年ほどになる今も、思いは変わりません。料理とお酒を楽しみに店に来てくださるお客さま、店で楽しんでくれるお客さまを見ていると、こちらも笑顔になります。

お客さまから「美味しい」と言ってもらえたり、お客さまの心を動かすことができて、何かしら反応が来たりするのは大きなやり甲斐になっていますし、新メニューを開発する意欲にもつながっています。
以前勤めていた飲食系の会社を辞める前、管理職をしていた時期があります。僕自身はお客さまの反応を直で感じられる現場の仕事が好きだし、自分はずっと調理も接客もしたいタイプなんだなと気づくきっかけにもなりました。人と接するのが大好きなんですよね。
お客さまの声や笑顔を受けて、「これも食べてほしい」「あれも食べてほしい」と、作りたいものがどんどん出てくるんです。料理人あるあるかもしれませんが、自分ひとりだけのために料理をする……となると、正直やる気は起きません(笑)。
●ご自身が大事にしていること(考え方や言葉など)は?

初めて働いたお店で、トップの方から「飲食店を経営するのは楽じゃないよ。厳しい世界だからね」「自分が楽しめないと続けていけない業界だ」と言われたのは今でもはっきり覚えていますし、頭に留めています。
ご存知の通り、飲食業界は拘束時間が長く、労働条件が良いとは言い難いところがあります。長年身を置いていますが、厳しい世界というのはリアルだと思います。楽しくないとやっていけないところはあると理解しているので、僕自身は楽しみながら営業しています。
●店長になって大変だと感じることは?
お店そのものの健康や体力を維持することの難しさでしょうか。今は店長としてひとりで切り盛りしているので、お店に関わるすべての要素を自分が見なくてはなりません。
そろそろアルバイトの方を雇いたいなあと思って、動き始めているところです。konroというコミュニティを好きでいてくれて、盛り上げてくれる方と一緒に働けたらいいなあと思っています。
ただ、僕自身は人に恵まれていて、自分ひとりだけでお店をやっているわけではありません。お店に出資してくれた方がいて、いただく助言がとてもためになっています。
●飲食に関わることが好きで、自身の店を持ちたいと思っている人にメッセージを。
とにかく行動すること。僕が自分の店を持ちたいと思ったのは25歳頃で、30歳くらいまでにはと考えていました。結果的にはそれより時間がかかってしまったのですが、もっと早く独立しても良かったと、今となっては思います。
ただ、「やりたい」と思うくらいのうちは、まだやれないのだと思います。「やるぞ」と気合を入れて、小さなアクションであっても起こし始めるのとは違いますよね。動こうと決めたら周囲に宣言するのもいいと思います。慎重になりすぎると、機会を逃してしまいますからね。

小さい頃から「一度きりの人生だから、楽しいことをしよう!」スタンスだったという吉永さん。大人になった今もそこは変わらず、konroという場所にも「楽しいこと」は散りばめられています。昼も夜も美味しいものをいただけるkonro。温かい料理を食べに行ってみてください。
取材協力/チャコールグリルキッチン konro
Text+Photo/池田園子、肉寿司、ビール写真はkonroの提供